伝統の極に挑む江戸小紋、小林染芸:江戸小紋とは

その1.江戸小紋という名前

「江戸小紋」の呼称は、昭和30(1955)年重要無形文化財「江戸小紋」指定時に正式名称のとして使用されました。しかし、昔から使われていたと思われます。

江戸小紋とは:画像1

その2.型紙を使用して染めた細かな文様

小紋とは、室町時代に始まり、江戸時代に広まりました。型紙を使用して着物の文様を染める技法を型染めといいます。大紋型染め、ゆかたなどに使用される中型染めに対して、細かい柄の型染めのことを小紋型染めと呼んでいたことから「小紋」という名前が伝わったと思われます。今ではおしゃれもの普段着という意味も含まれていると思います。

江戸小紋とは:画像2

その3.無地に見えても細かい柄

江戸小紋は、一色染を基本とすることもあって、遠くから見ると無地染めと変わりません。ところが近くで良く見てみると、細かい柄が無数(3.3センチ四方に八百~千二百個)に染められて、大変な技術の凝縮であることがわかります。 その江戸小紋は、文字通り江戸時代に武士の裃に使われていたこともあって全盛を迎えました。江戸小紋が準礼装になるのは裃からの影響だと思います。

江戸小紋とは:画像3

その4.武士の裃から着物へ

江戸小紋は、江戸時代に武士の裃に細かい柄が染められるようになってから発達し広まりました。江戸中期になると町人の間でも着物などに小紋を染めるのが流行し、男性や女性にも広まりました。そして、動物や植物の柄や縁起の良い柄、語呂あわせのあそび心のある柄など数多く生まれ、盛んに作られるようになりました。明治時代になると武士の身分が廃止されましたが当時の文様はほとんど現代の江戸小紋の柄に継承されています。

江戸小紋とは:画像4

その5.江戸小紋を使っていろいろな創作品を作っています。

江戸小紋を使って作られる物の中心は着物や帯です。しかし、年々、着物を着る人が減っており、最近ではその高度な技術を生かしてTシャツやマフラーなど新しい商品も製造、販売しております。

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